はじめに

この記事では、Azure、AWS、Google Cloudの3大クラウドサービスのAIサービスの新規機能リリース履歴をまとめています。

主に以下のURLの情報をもとに新機能のキャッチアップを行っています。


Azure

2025年08月05日: gpt-oss-20bおよびgpt-oss-120bがAzure AI Foundryで利用可能に

OpenAIのgpt-oss-20bおよびgpt-oss-120bモデルがAzure AI Foundryでも利用可能になりました。
gpt-ossはOpenAIから提供されたオープンウェイト言語モデルです。

Azure公式ブログ

2025年08月06日: Azure Browser Automation toolがパブリックプレビューで提供開始

自然言語プロンプトを使ってブラウザ操作を自動化できる「Browser Automation tool」がパブリックプレビューとして利用可能に。
Microsoft Playwrightのワークスペースを利用し、隔離されたブラウザセッション内で実行されます。

主な用途(例)

  • 予約やチケット取得:自動でフォーム入力・空き確認・スケジュール選択などを実施。
  • 商品検索やレビュー調査:ECサイトを巡回して条件に合う商品を抽出。
  • Web UIテストの自動化にも応用可能。

動作の流れ

  • ユーザーが自然言語で指示を送信。
  • Playwrightで立ち上げた仮想ブラウザ上でAIが操作(例:クリック、入力)。
  • 操作のたびに状態をスクリーンショットで更新し、再判断して次の操作。
  • 最終的な目的(予約完了など)に到達するまでこれを繰り返す。
  • **複数回のやりとり(マルチターン会話)**に対応している。

Azure公式ドキュメント: Azure Browser Automation

2025年08月06日: Azure AI Foundry Agent Serviceが新リージョンで提供開始

以下のリージョンでAzure AI Foundry Agent Serviceの提供が開始されました。

  • ブラジル南部(Brazil south)
  • ドイツ西中部(Germany west central)
  • イタリア北部(Italy north)
  • 米国南中部(South central US)

Azure公式ドキュメント: リージョン

2025年08月08日: GPT-5シリーズモデルの提供開始

2025年08月08日より、OpenAIでGPT-5シリーズモデルの一般提供が開始された。 同モデルはAzure OpenAIでも利用可能。

モデル名 ナレッジカットオフ 特徴
gpt-5 2024/10/01 複雑なリーズニングに対応
gpt-5-mini 2024/05/31 速度・コスト・機能のバランスが良い
gpt-5-nano 2024/05/31 単純な指示や分類向け、高速かつ低コスト
gpt-5-chat 2024/09/30 gpt-5の最新版のスナップショット ※公式サイトによるとナレッジカットオフがgpt-5と異なる

主な改善点

  • o3以上のベンチマーク性能

    • 高度推論におけるスコアがo3超え
  • ハルシネーションの低減

    • GPT-4o比で45%削減
    • o3比で80%削減
  • 会話の質向上

    • 同調・絵文字使用の抑制
    • より知的な対話体験へ
  • セーフコンプリーション導入

    • 拒否ベースではなく、理由付きの安全な代替提案
  • reasoning.effort パラメータに minimal 追加

    • 非常に少ない推論トークンで応答
    • 初期応答時間(TTFT)を最短化

料金比較

モデル名 バージョン タイプ 入力[/1Mトークン] キャッシュ[/1M] 出力[/1Mトークン] コンテキスト 最大出力
gpt-5 gpt-5-2025-08-07 高度推論 1.250 0.125 10.000 272,000 128,000
gpt-5-chat gpt-5-chat-latest 高度推論 1.250 0.125 10.000 128,000 16,384
gpt-5-mini gpt-5-mini-2025-08-07 高度推論 0.025 0.025 2.000 272,000 128,000
gpt-5-nano gpt-5-nano-2025-08-07 高度推論 0.005 0.005 0.400 272,000 128,000
GPT-4.1 gpt-4.1-2025-04-14 汎用 2.000 0.500 8.000 1,047,576 32,768
o3 o3-2025-04-16 高度推論 2.000 0.500 8.000 200,000 100,000
o3-pro o3-2025-06-10 高度推論 20.000 - 80.000 200,000 100,000

※コンテキストウィンドウはOpenAIではなく、Azure OpenAIのドキュメントに記載されている数値を記載

OpenAI公式価格表
Azure対応モデル一覧

利用方法

  • gpt-5へのアクセスは**登録が必要**
  • gpt-5-minigpt-5-nanogpt-5-chat登録不要

ZDNet Japan 記事
OpenAI公式:GPT-5概要
モデル価格
GPT-5詳細
GPT-5-mini
GPT-5-nano
GPT-5-chat
Azure対応モデル一覧

2025年08月08日: Model RouterがGPT-5シリーズモデルをサポート

Model RouterがGPT-5シリーズをサポート開始しました。

Model Routerは最適なチャットモデルを自動選択する機能です。
Azure AI Foundry のモデル ルーターは、デプロイ可能な AI チャット モデルであり、特定のプロンプトにリアルタイムで応答する最適な大規模言語モデル (LLM) を選択するようにトレーニングされています。
プロンプトに最適なモデルを選んで応答精度の向上を可能します。

  • 制限付きアクセスモデルアプリケーション経由でリクエスト可能
  • すでにo3へのアクセス権がある場合は申請不要

AWS

2025年08月05日: OpenAI gpt-oss-20bおよびgpt-oss-120bがAmazon Bedrockで利用可能に

Amazon BedrockでOpenAIのgpt-oss-20bおよびgpt-oss-120bモデルが利用可能になりました。

AWSドキュメント公式: Foundation Models in Amazon Bedrock

2025年08月05日: Amazon Bedrock GuardrailsでAutomated Reasoningチェックがサポート開始

Amazon Bedrock Guardrailsで、基盤モデルの応答の正確性を検証するAutomated Reasoningチェックがサポートされました。

生成AIの出力結果に対して形式的検証(formal verification)技術を用い、事実性・ポリシー準拠の正確性を数学的に検証します。

ユースケース

  • LLMの「ハルシネーション(事実誤認)」や「あいまいな回答」の検出に強力に対応
  • 特に金融、法務、医療などの規制産業において、AI導入前の厳格な検証が求められる場面に有効

提供リージョン

  • 米国:バージニア北部、オハイオ、オレゴン
  • 欧州:フランクフルト、アイルランド、パリ

AWSドキュメント公式: Automated Reasoning
AWSドキュメント公式: Amazon Bedrock Guardrails
AWSドキュメント公式: Foundation Models in Amazon Bedrock


Google Cloud

2025年08月04日: Colab EnterpriseでData Science Agentがプレビュー提供開始

Colab Enterpriseノートブック内で、探索的データ分析の自動化、機械学習タスクの実行、インサイトの提供を行う新機能「Data Science Agent」が利用可能になった(プレビュー提供)。

Google Cloud公式ドキュメント: Use the Data Science Agent
Google Cloud公式ドキュメント: Product launch-stages


おわりに

この記事が、AIサービスに関する最新リリース情報の把握に役立てば幸いです。
今後も主要なアップデートがあれば随時追記していきます。
ご意見や追加情報があれば、ぜひコメントやお問い合わせフォームからお知らせください。

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