はじめに
フリーランスへの独立のファーストステップとしてやるべきことは、エージェントを選定することかと思います。
フリーランスエージェントの選定において、以下のように感じる方は多いと思います。
- 評価サイトのおすすめエージェントが多すぎて結局どれを選べばよいか分からない
- 地方在住だと案件があるかどうか分からない
この記事では、これから独立をされる予定の地方在住エンジニアの方に向けて、おすすめのフリーランスエージェントやエージェントを選定する観点について紹介します。
これから、独立をされる予定の方の少しでも約に立てば幸いです。
そもそもフリーランスエージェントとは?
フリーランスエージェントは、企業の開発案件とフリーランスエンジニアを結びつける仲介サービスです。
案件の紹介、選考調整、契約手続き、単価交渉、稼働中のフォローまでを一気通貫で支援します。
基本的な流れは以下の通りです。
- 登録・面談:希望条件(報酬、技術、働き方、稼働日数)を伝える
- 案件紹介:条件に合いそうな案件を複数提示
- 選考・面談:書類調整、面談日程の調整、アピールポイントの補強
- 契約・稼働開始:契約書や支払いサイト(入金までの日数)を整備
- 稼働フォロー:契約更新、単価交渉、トラブル時の介入など
フリーランスエージェントとの契約は準委任契約になることが多いです。
契約した単価で、月140-180時間の範囲内で労働することを条件として働くことになります。
準委任契約は契約上は派遣契約とは異なりますが、働き方自体は派遣社員のような形式で働くことになります。
地方の会社員エンジニアが抱えがちな課題
地方で働く会社員エンジニアには、こんな「壁」を感じている人も多いのではないでしょうか?
- 給与水準が低い傾向:同等のスキルでも都市部と比較して年収差が出やすい
- 技術スタックが古い:レガシー環境での保守運用が中心、新技術に触れる機会が少ない
- 古い非合理の企業文化:生産性が下がるような制度やハラスメントなど古い企業文化で精神的にストレスが溜まる
- 人脈不足:同じ企業とのコネクションしかなく、都市部の成長企業・有力プロダクトとの接点が持ちにくい
「このままでは技術的に取り残される」「収入も上がらない」という不安が、独立や転身を考えるきっかけになることは珍しくありません。
エージェントを利用するメリット
ここからが本題です。
地方在住×エージェント活用で得られるメリットを描きます。
1) 都市部の企業との取引が可能になる
エージェントは都市部の企業と太いパイプを持っています。
「都市部の最新技術 × 高単価 」 という条件の案件に、地方からフルリモート で受注が可能になります。
2) 収入が上がる
フリーランスエンジニアになるとスキル・稼働日数にもよりますが、一般的に月50〜70万円、高スキルなら80〜100万円の報酬を得ることができます。
マージン(手数料)や税などが差し引かれることを考慮しても、総収入は会社員時代を超えるケースが珍しくありません。
3) 希望する最新技術の案件に挑戦できる
地方では希少な以下のような技術領域にもチャレンジすることができます。
- モダン言語:Go / Rust
- フロントエンド:React / Next.js / TypeScript
- モバイル:Flutter / React Native / Kotlin / Swift
- クラウド&インフラ:AWS / GCP / Azure / Kubernetes / Terraform
- データ&AI:Python / MLパイプライン / MLOps / LLM関連
「地元に案件が無い技術に、地方から挑戦できる」 ──これがエージェント利用の最大のメリットだと思います。
エージェントの選定時の注意点
おすすめのフリーランスエージェントを紹介する前に、エージェント選定時の注意点や調査すべき点について紹介します。
複数のエージェントに登録することが基本
複数のエージェントから案件紹介してもらったほうが案件獲得の可能性が高まり、複数企業からオファーをもらうことで単価が上がる可能性も高くなります。
そのため、がっつり調べて1社に絞るというよりはある程度調べて、よさそうなところを3社ぐらいは登録しておいたほうがいいと思います。
担当者に関する口コミは当てにし過ぎないほうがよい
インターネット上だと、エージェント担当者に関して低評価をしている口コミもあると思います。
同じエージェントであっても、担当者によって提案力・交渉力・対応速度に大きな差があり、運要素があります。優良エージェントでも、必ずしも優秀な担当者がつくとは限りません。
逆に口コミで担当者の評価が低いエージェントでも優良エージェント、優良案件を紹介してくれる可能性もあります。
担当者への口コミは当てにし過ぎず、エージェント全体として妥当かどうかで判断したほうがいいと思います。
法的トラブルや情報漏洩などの問題を起こしていないか確認する
エージェントを選定する上で、過去に情報漏洩や顧客とのトラブル、訴訟などの問題を起こしていないかは非常に重要な観点です。
中には、本人確認体制の不備による情報漏洩事件を起こし、事後対応の不透明さや被害企業への訴訟提起など、企業倫理として問題のある対応をしたエージェントも存在します。
契約前に「エージェント名 + 問題」「エージェント名 + 訴訟」などのキーワードで検索し、SNSやnote等の実際の利用者の声を確認しておくと安心です。
実際に問題が報告されているエージェントの事例については、以下の記事で詳しく紹介しています。
エージェントのキャリア相談はあまり期待しないほうがよい
専門のキャリア担当がつくエージェントも多いですが、キャリア担当の方は技術者出身ではない場合が多く、技術的な深い相談にはあまり乗れない場合が多いです。
また、単価アップをしたければ、流行りの技術、上流工程、ニッチな技術の取得などスキルアップして市場価値を上げるしかないため、他人の相談しても意味がないことが多いです。
実際私の周囲でもあまり活用されているという方は少なく、エージェントさんと会話するのは案件獲得時、市場感の確認のみというケース多い印象です。
キャリア担当でエージェントを選定するよりは、提案された案件の質で選定したほうがよいと思います。
選定記事準
候補とするエージェントを選定するにあたって以下のような情報を調べるとよいでしょう。
運営会社
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運営会社の信頼性(売上・上場有無・設立日)
- 規模が大きい会社や実績が長い会社のほうが報酬未払いリスクなどのトラブルが低いため、運営会社の信頼性は重要なポイントです。
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マージン率(公開/非公開)
- 多くのエージェントでは非公開ですが、公開されているほうがエンジニアとしてはありがたいですね。(10~30%程度が相場と言われています)
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インボイス対応状況(インボイス登録なしでも契約可能か)
- インボイス登録をすると課税事業者となり、消費税分自身の手取りが減ってしまうため、インボイス登録をしなくても契約可能なエージェントのほうがエンジニアにとってはありがたいです。
案件特性
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案件総数
- 案件数が多いエージェントは、希望に合う案件を見つけやすい傾向があります。
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時短案件数(週4以下の案件)
- 一般的にエージェントから提供される案件は、週5のフルコミット案件が多いですが、週4以下の時短案件を提供しているエージェントもあります。ワークライフバランスを重視する人にとっては、時短案件の有無や割合は重要なポイントです。
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リモート案件数
- リモート案件の割合が高いエージェントは、地方在住者やリモートワークを希望する人にとっては魅力的なポイントです。
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地方案件数
- 多くのエージェントは首都圏に案件が集中していますが、地方在住者で地場企業で働きたいという方は、地方案件がどの程度あるかは重要なポイントです。
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平均単価
- 自身が希望する水準の単価帯の案件が多いかは、自身のライフプランを設計する上で重要なポイントです。
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税表記(税抜/税込)
- 単価表記が消費税込みになっているエージェントが多いですが、消費税分が上乗せされた金額なので、実際の単価は低い金額となっています。
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スキル適合性
- 若手向き/ベテラン向き、上流工程/下流工程向け、AIなど特定技術に特化した案件に強いなど、自身のスキルセットやキャリアプランにあった案件を多く扱っているかは確認しておきたいポイントです。
情報収集の方法
フリーランスボード(Freelance Board)
エンジニア・デザイナー・ライターなどさまざまな職種のフリーランスのためのフリーランスの案件検索サイトです。 複数のエージェントが所持している公開案件を検索することができるため、エージェントの登録前にどのような案件が登録されているか市場調査することができます。
登録は無料なので、エージェントに本登録する前に、まずは一度登録することをおすすめします👇

運営会社のINSTANTROOM株式会社は、『ITフリーランス及びフリーランスエージェント市場白書』などフリーランスの労働市場に関する市場動向の公開などを行っており、フリーランスの情報収集には欠かせない会社になっています。
Freelance BoradはYoutubeでも毎月の単価動向を配信しているので、興味のある方はチャンネル登録してみることをおすすめしています。
エンジニアファースト
フリーランスエージェントサービスを展開しているグラントホープさんが公開しているYoutubeチャネルです。
フリーランスとして働かれているフリーランスエンジニアの方のインタビュー動画や、単価の上げ方、おすすめの開発ツールなどフリーランスエンジニアにとって役に立つ様々な情報が公開されています。
以下の動画では、各エージェントの違いを解説しているので、興味のある方はご覧ください。
地方エンジニアにおすすめのエージェント
エージェントの数は多数ありますが、地方でフリーランスとして活動する場合、フルリモート案件または、地方の地場企業の案内を受注する必要があるため、紹介される案件が限定されてしまうことになります。
そのため、はじめは求人数が多い大手系のエージェントを選択するのが比較的無難です。
以下におすすめのフリーランスエージェントを記載しました。

- レバテックフリーランス : フリーランスエージェントとしては最大手
- geechs job : フリーランスエージェント会社としては唯一の東証スタンダード上場企業
- PE-BANK : 老舗のフリーランスエージェント。岡山地場企業の求人も多い
- Midworks: フリーランスエンジニア初心者向けとして定評のあるエージェント
比較表
| 項目 | レバテックフリーランス | geechs job | PE-BANK | Midworks |
|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | レバレジーズ株式会社 | ギークス株式会社 | 株式会社PE-BANK | 株式会社Branding Engineer |
| 設立 | 2005年4月 | 2007年8月23日 | 1989年 | 2022年9月 |
| 資本金 | 非公開 | 約11.12億円(2025年9月時点) | 非公開 | 5,000万円 |
| リモート案件 | 約75%以上 | リモート・一部リモートあり | 一部あり(常駐が中心) | あり |
| 推定案件数 | 約7,900件超(非公式情報) | 非公開(取引企業3,000社以上) | 非公開(全国で常時多数) | 約15,000件(2026年8月時点) |
| 平均単価 | 平均年収約876万円(週5稼働時) | 80万円前後が中心レンジ | 60万〜80万円前後 | 70万円以上 |
| 消費税表記 | 案件ごとに明示 | 税込 | 税抜き | 税抜き |
| マージン率 | 非公開 | 非公開 | 公開(10%~15%) | 20% |
| 福利厚生 | レバテックケアあり | フリノベあり | 共済会制度あり | Midworksトータルケア(報酬保障・労災保険等)あり |
| 特徴 | 業界最大級の案件数とAIチャット案件検索 | 業界唯一の東証スタンダード上場企業運営 | マージン公開の透明性と全国拠点 | 会社員寄りの報酬保障・福利厚生が充実 |
よくある質問
Q. 地元に案件がなくても、都市部のプロジェクトに参画できますか?
A. 可能です。リモート前提やハイブリッドの案件もあり、選考では「リモートでも成果を出せるような実績(運用・ツール・コミュニケーション)」が重視されます。
Q. 都市部への引っ越しは必要ですか?
A. 必須ではありません。ただしキックオフや定例の出社が年数回必要な案件もあります。出社頻度・交通費の取扱いは、面談時に必ず確認しましょう。引っ越しありなのであれば、東京に近い、北関東などへの移住がおすすめです。
Q. 未経験や経験が浅くても使えますか?
A. 実務経験が浅いと提案される案件数が少なくなり、案件が獲得できない可能性があるため、個人的な主観ですが、2年以上は会社員で経験を積んだほうがよいかと思います。
Q. どれくらいの収入を目指せますか?
A. スキル・稼働・単価次第ですが、20~30代ならロースキルでも**月40〜70万円(税抜)**ぐらいはいくと思います。
Q. 複数のエージェントに登録してもいい?
A. 問題ありません。むしろ地方在住者は複数登録が標準です。案件の母数と交渉力を確保しましょう。
Q. 案件が途切れたことはありますか?
A. 直近4年間で案件が途切れたことはありません。ただし、今後のAI技術の躍進で市場が変化する可能性はあります。
まとめ:地方からでも「都市部基準」のキャリアと収入は実現できる
- 地方の給与水準やレガシー技術の制約は、フリーランスエージェントの活用で突破できます。
- 都市部企業との接点を持ち、希望する技術×高単価×リモートという条件に手が届く時代です。
- 成功の鍵は、“都市部企業向け”の見せ方と、複数エージェントの戦略的併用。
- 地方の生活基盤を活かしつつ、収入と技術の両立を目指しましょう。