一人法人が住所移転するときにやるべきこと まとめ
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はじめに 一人法人(合同会社や特例有限会社など)を経営していて引越しをすると、個人の転入転出手続きとは別に、法人としての住所変更手続きが発生します。
法務局・年金事務所・税務署・地方税事務所・郵便局・金融機関など、届出先が多岐にわたるうえ、それぞれ提出期限や必要書類が異なるため、うっかり漏れやすいのが実情です。
この記事では、管轄外(他の法務局の管轄エリア)への本店移転を前提に、一人法人が住所移転する際にやるべき手続きを移転前・移転後に分けてまとめました。
実際に自分の会社を移転させた際の経験をベースにしているので、これから移転を予定している方の参考になれば幸いです。
移転前にすべきこと 取引先への住所変更予定の連絡 契約書や請求書に登記住所を記載している取引先がある場合は、移転前に住所変更の予定を連絡しておきましょう。
契約書の再締結が必要になるケースもあるため、早めに伝えておくとその後の事務作業がスムーズです。
移転後にすべきこと 以下は、管轄外への本店移転を行った場合の手続きです。同一法務局の管轄内での移転の場合は、一部の手続きが簡略化されることがあります。
🏛 法務局(本店移転登記) 本店移転の日から2週間以内に、法務局へ登記申請が必要です。
本店移転登記申請書(旧管轄用・新管轄用の2枚) 商業・法人登記の申請書様式|法務局 登録免許税:3万円 × 2通(新旧の管轄法務局分) 添付書類:総社員の同意書(フォーマットは自由) 特例有限会社変更登記申請書(該当する場合) 登録免許税:1万円 補足事項として、令和7年4月21日の商業登記規則改正により、本店移転登記のみであれば印鑑届出書の提出は不要になっています。
実務上のポイントは以下の通りです。
移転申請書は移転後でないと提出できないため、郵送またはオンライン申請(電子署名料金:最低1,300円/3ヶ月有効)での提出になる 事前に法務局の相談窓口で予約を取り、記載内容を確認してもらうと差し戻しを防げる 移転申請と登記申請は同時に実施してもよい 定款には移転先住所を市区まで記載する 完了報告は行われないため、法人番号公表サイト等で自分で更新を確認する 🏥 年金事務所(社会保険) 移転前の年金事務所に、移転から5日以内に提出します。
健康保険・厚生年金保険 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届 法人登記事項証明書のコピーが必要 参考: 1-4:適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄外の場合)|日本年金機構
🏢 税務署(国税) 国税に関する異動届は、移転後に、移転前の所轄税務署へ提出するだけで完了します。提出期限は1か月以内で、e-Tax・郵送・窓口のいずれでも対応可能です。
異動届出書 定款の写し 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 消費税異動届出書 参考: C1-8 異動事項に関する届出|国税庁 / A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁
💡 補足:国税は1か所で済むのに、地方税は移転前・移転後の両方に届出が必要なのはなぜ? 国税は国税庁が全国の税務署を一元管理しており、納税者データが組織内部で統合されているため、移転前の税務署に届け出るだけで新管轄への引き継ぎが自動的に行われます。一方、地方税は都道府県・市町村がそれぞれ独立した課税主体であり、法人住民税・法人事業税はその自治体自身の税収になります。そのため、移転前の自治体は在籍期間分の税額を確定するため、移転後の自治体は新たな納税者として登録するため、それぞれ別の目的で届出が必要になります。地方公共団体間には国税庁のような自動連携システムがないため、納税者自身が両方に届け出ないと、旧自治体側は課税漏れ、新自治体側は納税者を把握できないままになってしまいます。
都道府県税事務所(地方税) 管轄外への移転の場合、移転前・移転後の両方の事務所に法人異動届の提出が必要です(法人登記事項証明書のコピーが必要)。