はじめに
新社屋が完成した際、なぜか社内にシャワールームが設置されていた、という話を耳にすることがあります。
福利厚生の一環かと思いきや、その設置理由や利用実態を聞くと、首をかしげてしまうケースも少なくありません。
今回は中四国のある企業で実際にあった、新社屋のシャワールームにまつわる話を紹介します。
シャワールームの正体
この企業では、新社屋の建設にあわせてオフィス内にシャワールームが設けられました。
一般的な社員向けの福利厚生施設であれば納得もできますが、設置の経緯を聞くと事情は少し異なります。
このシャワールームは、すでに経営の一線から退いている経営者一族の要望によって作られたものでした。
引退後、畑仕事に精を出していた会長が、作業でかいた汗をその場で流せるようにという理由で、会社の新社屋にシャワールームを設置することになったといいます。

投資対効果への疑問
制度上は従業員も利用できることになっているそうですが、実際に使っている社員はほとんど見当たらないとのことです。
考えてみれば当然で、一般的なシステムエンジニアが、オフィスで汗を流すほどの作業をする機会はまずありません。
結果として、設置されたシャワールームは、ほぼ誰にも使われないまま社内の一角を占めることになりました。
新社屋にシャワールームを設置するとなれば、給排水設備の工事や、専用スペースの確保など、決して小さくない投資が必要になります。
会社の資金は本来、事業の成長や従業員の労働環境の改善のために使われるべきものです。
経営に関わる立場の人間が、私的な目的のために会社の予算を投じることが許容されてしまう体質は、同族経営やオーナー企業においてしばしば見られる問題の一つといえます。
まとめ
会社員として働く以上、こうした組織のしがらみや、経営陣の意向に振り回される場面から完全に逃れることは難しいものです。
そうした環境に悩まされ続けるのであれば、独立してフリーランスとして働くという選択肢を検討してみるのも一つの手です。
会社の資金の使い方や組織の体質に一喜一憂することなく、自分自身の裁量で仕事を選べる働き方も、キャリアの可能性として視野に入れておきましょう。