はじめに

この記事では、Azure、Google Cloud、Google Cloudの3大クラウドサービスのAIサービスの新規機能リリース履歴をまとめています。

主に以下のURLの情報をもとに新機能のキャッチアップを行っています。

Azure

2025年11月18日: Anthropic ClaudeモデルがMicrosoft Foundryで利用可能に

Claude Sonnet 4.5、Haiku 4.5、Opus 4.1モデルがMicrosoft Foundryでパブリックプレビューとして提供開始されました。
これにより、AzureはClaudeとGPTの両方のフロンティアモデルへのアクセスを1つのプラットフォームで提供する唯一のクラウドプロバイダーとなりました。

主な特徴：

  • Microsoft Azure Consumption Commitment (MACC)の対象
  • 既存のAzure契約と請求システムで利用可能（別途ベンダー承認不要）
  • Python、TypeScript、C# SDKでアクセス可能
  • コード実行ツール、ウェブ検索・取得、引用、ビジョン、ツール使用、プロンプトキャッシングなど、Claude Developer Platformの各種機能をサポート

戦略的パートナーシップ：

  • NVIDIAとMicrosoftがそれぞれAnthropicに最大100億ドルと最大50億ドルを投資
  • Anthropicは300億ドル相当のAzureコンピュート容量を購入し、さらに最大1ギガワットのコンピュート容量を契約予定
  • ClaudeはGitHub CopilotやCopilot Studioを含むMicrosoft Copilotファミリー全体でも継続的に利用可能

Microsoft Azure Blog: Introducing Anthropic’s Claude models in Microsoft Foundry Anthropic公式: Claude now available in Microsoft Foundry and Microsoft 365 Copilot Anthropic公式: Microsoft, NVIDIA and Anthropic announced new strategic partnerships

2025年11月18日: Microsoft FoundryでModel RouterがGA、基盤モデルに新たなモデルが追加

2025年05月20日にプレビューで提供されていたModel RouterがGAで提供開始されました。
Model Routerはデプロイ可能なAI チャットモデルであり、特定のプロンプトにリアルタイムで応答する最適な大規模言語モデル (LLM) を選択するようにトレーニングされています。
プロンプトに最適なモデルを選んで応答精度の向上を可能します。

今回のバージョンからはOpenAI提供モデル以外にもAnthropic、Llama、Deepseekなどのモデルも提供されるようになりました。

  • モデルルーターのバージョン

    • 2025-11-18

  • 基盤モデル

    • gpt-4.1
    • gpt-4.1-mini
    • gpt-4.1-nano
    • o4-mini
    • gpt-5-nano
    • gpt-5-mini
    • gpt-5
    • gpt-5-chat
    • Deepseek-v3.1
    • gpt-oss-120b
    • llama4-maverick-instruct
    • grok-4
    • grok-4-fast
    • gpt-4o
    • gpt-4o-mini
    • claude-haiku-4-5
    • claude-opus-4-1
    • claude-sonnet-4-5

また、Model Router内の基盤モデルはMicrosoft FoundryのポータルサイトからデプロイするときにCustom Settingsを選択することで、どのモデルを基盤モデルに設定するかを選択することができます。
高額なモデルや、社内の利用ポリシー上使用できないモデルを外す必要がある場合は、Custom Settingsでデプロイすることで該当モデルを外すことができます。

また、OpenAI以外のClaudeなどのサードパーティーモデルを基盤モデルに設定する場合は、事前にFoundry内に該当モデルを個別にデプロイする必要があるようです。

Azure公式ドキュメント: Model router for Microsoft Foundry Azure公式ドキュメント: Use model router for Microsoft Foundry

2025年11月19日: Azure AI Search 2025年11月アップデート

新しいプレビューREST APIバージョン（2025-11-01-preview）がリリースされ、多数の新機能が追加されました。

主なアップデート：

  • 新しいretrievalInstructionsとoutputConfigurationプロパティでクエリ計画と実行制御を改善
  • Reasoning effortパラメータでLLM処理を制御
  • ingestionParametersオブジェクトでcontentExtractionModeとingestionPermissionOptionsを制御 主なアップデート：
機能 詳細
無料ティアでの機能拡張 セマンティックランカーとエージェント型検索（Agentic Retrieval）が無料ティアで利用可能に
Knowledge Agentsの名称変更 → Knowledge Bases（破壊的変更） 新しいretrievalInstructionsとoutputConfigurationプロパティでクエリ計画と実行制御を改善。Reasoning effortパラメータでLLM処理を制御
Knowledge Sourcesの拡張 OneLake、SharePoint（indexed/remote）、Webなど新しいデータソースに対応。ingestionParametersでcontentExtractionModeとingestionPermissionOptionsを制御
Knowledge Retrieval機能 Reasoning effort、Zero-model-callモード、部分的なレスポンスをサポート
Azureポータルサポート Knowledge Sources／Knowledge Basesの作成・管理と、チャットプレイグラウンドでのテスト機能を提供
Foundry IQ統合 Foundry Agent ServiceのエージェントがAzure AI SearchのKnowledge Basesを呼び出し可能に
Azure Content Understanding Skill PDFやOfficeドキュメントから構造化Markdownを抽出、テーブル抽出とセマンティックチャンキングを改善
SharePoint関連の強化 ドキュメントレベルのACL、管理者向け昇格読み取り権限、増分更新に対応
Microsoft Purview統合 ドキュメントの機密ラベルをインデックスに同期し、クエリ時にデータガバナンスを実現
検索精度向上 スコアリング関数の集約、ファセット集約（最小値、最大値、平均、カーディナリティ）
エンドポイントサポート拡張 azure-api.net（Azure API Management）、services.ai.azure.com（Microsoft Foundry）に対応

Azure公式ドキュメント: Azure AI Search What’s New

Google Cloud

2025年11月18日: Amazon Bedrockが新リージョンで利用可能に

アフリカ（ケープタウン）、アジア太平洋（ニュージーランド）、カナダ西部（カルガリー）、メキシコ（中部）、中東（バーレーン）でAmazon Bedrockがサポート開始。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Regions and Endpoints]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/bedrock-regions.html )

2025年11月18日: Amazon Bedrock Runtimeにオンデマンド推論向け新サービス階層「priority」と「flex」追加

オンデマンド推論に新しいサービス階層「priority」と「flex」が追加。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Runtime]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/bedrock-runtime.html )

2025年11月19日: カスタムモデルインポートでOpenAI GPT-OSSモデルがサポート

カスタムモデルインポート機能がOpenAI GPT-OSSモデルをサポート。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Custom Models]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/custom-models.html )

2025年11月19日: Amazon Bedrock Guardrails Standard tierがコード関連ユースケース強化

Standard tierでコード関連プロンプトやレスポンスへの対応が強化され、コンテンツフィルタ、プロンプト攻撃対策、拒否トピック処理を改善。
コード領域の包括的なドキュメントとプロンプト漏洩検出機能が追加。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Guardrails]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/guardrails.html )

2025年11月20日: Amazon Bedrock Data Automationが同期呼び出しをサポート

Amazon Bedrock Data Automationで同期呼び出しが可能になった。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Features]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/what-is-bedrock.html )

2025年11月21日: Google Cloud組織内でAmazon Bedrock Guardrailsをアカウント間共有可能に

Google Cloud組織内でGuardrails設定のアカウント間共有が可能になった。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Guardrails]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/guardrails.html )

2025年11月24日: Amazon BedrockがAnthropic Claude Opus 4.5をサポート

Anthropic Claude Opus 4.5モデルが利用可能になった。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Supported Models]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/models-supported.html )

2025年11月26日: Amazon Bedrock Runtimeに推論向け新サービス階層「Reserved」追加

Bedrock推論用に新しい「Reserved」サービス階層が追加された。

[Google Cloud公式ドキュメント: Amazon Bedrock Runtime]( https://docs.Google Cloud.amazon.com/bedrock/latest/userguide/bedrock-runtime.html )

Google Cloud

2025年11月04日: MiniMax M2がModel Gardenで利用可能に

MiniMax M2モデルがModel Gardenで提供開始されました。
MiniMax M2モデルは、中国のAIスタートアップ企業MiniMaxによって開発されたLLMで、ツール呼び出しを含む複雑なタスクの計画と実行に優れ、パフォーマンス、コスト、推論速度のバランスが取れた設計となっています。

推論の過程を <think>...</think> タグで明示的に区切りながら、Step By Stepで思考していく、インターリーブ思考を導入しており、複雑なタスクでの性能を向上させているそうです。
MiniMax M2はマネージドAPIとして利用可能です。

Google Cloud公式ドキュメント: MiniMax M2
GitHub: MiniMax M2
macstories: MinMax M2

2025年11月07日: Vertex AI Agent Engineに新機能（PreviewおよびGA）追加

Previewで利用可能な機能：

Google Cloudコンソールでセッションなどの監視の設定・管理・表示可能
Playgroundでエージェントをテスト・対話可能
Vertex AI SDKのGenAI Clientを使用してエージェント評価が可能
Memory Bankのメモリリビジョンを作成・管理可能
IAMを使用してエージェントIDを作成し、アクセス管理と認証を実施可能

GAで利用可能な機能：

Vertex AI Agent Engine RuntimeでExpressモードがサポート
Vertex AI Agent Engine Runtimeに無料利用枠が追加

2025年11月13日: Kimi K2 ThinkingがModel Gardenで利用可能に

Kimi K2 ThinkingモデルがModel Gardenで提供開始されました。
このモデルは、複雑な問題解決と深い推論に優れた思考モデルです。
Kimi K2 ThinkingはModel GardenでマネージドAPIとして利用可能です。

Google Cloud公式ドキュメント: Kimi K2 Thinking

2025年11月17日: Vertex AIでVeo 3.1がGA

Veo 3.1およびVeo 3.1 Fastモデルが一般提供開始。
テキスト、画像、開始・終了フレームからの動画生成機能をサポート。

Google Cloud公式ドキュメント: Veo 3.1
Google Cloud公式ドキュメント: Veo 3.1 Fast
Google Cloud公式ドキュメント: Generate videos with Veo on Vertex AI
Google Cloud公式ドキュメント: Generate Veo videos from text prompts
Google Cloud公式ドキュメント: Generate Veo videos from an image
Google Cloud公式ドキュメント: Generate Veo videos using first and last frames
Google Cloud公式ドキュメント: Veo video generation API

2025年11月17日: Vertex AI ユーザーによるOSシャットダウンがNotebooks APIに報告されない不具合を修正

Vertex AI ユーザーによるOSシャットダウンがNotebooks APIに報告されない不具合を修正しました。

2025年11月21日: Vertex AI 画像出力が正しく表示されない不具合を修正。

Vertex AI Workbench v1のM136リリースにて、画像出力が正しく表示されない問題がパッチ適用により修正されました。

2025年11月21日: Vertex AI Model GardenでAnthropic Claude Opus 4.5が利用可能に

Claude Opus 4.5モデルがModel Gardenに追加。

Google Cloud公式ドキュメント: Claude Opus 4.5