はじめに
仕事では「言われたことをそのまま実行したのに怒られる」という理不尽な出来事が起こることがあります。
この記事では、曖昧な指示や、認識の違い、記憶違いによる職場のトラブルを紹介します。
本記事は、エンジニアや企業を貶めることを目的としたものではありません。情報収集が困難な業界内情を提供し、今後のキャリアに役立てていただくこと、そして業界への監査を行うことを目的としています。
「自分が言ったことを5分で忘れる理不尽上司」
これは関東のとあるシステム開発会社での出来事。
複数のプロジェクトが同時に動くオフィスでは、サーバー構築やシステム開発、データ分析などの業務が日常的に行われていた。
社員たちはそれぞれの案件を抱え、部署やプロジェクトの垣根を越えて協力する場面も多かった。
ある日、オフィスレイアウト変更に伴い、別プロジェクトの上司Bが、別フロアに異動となり、デスクを移動することになった。
部下Aは自分の担当業務を進めている最中、突然電話を受ける。
- 上司B 😐 「これからデスクを移動するから、私の机の上にある物を全部机から片付けてまとめておいて。」
- 部下A 🙂 「わかりました。」
上司Bの机に目をやると、デスクトップ型PCが設置されていたからだ。 念のため確認した方がいいと考えた部下Aは、再度連絡を入れた。
- 部下A 🤔 「机の上にデスクトップPCがありますが、これも片付けてよろしいでしょうか?」
- 上司B 😐 「いいよ。全部片付けておいて。」
- 部下A 😊 「承知しました。」
確認も取れたため、部下Aは安心して片付けを始めた。
書類、文房具、小物類を整理し、段ボールにまとめる。
最後にPCへ手を伸ばす。
するとPCの電源ランプが点灯していることに気付いた。
- 部下A 🤔 「あれ、電源が入っているな。」
しかし、机から移動するには電源を切るしかない。
しかも先ほど「PCも片付けてよい」と明確に許可を得ている。
デスクから下すにためには、当然電源も切る必要がある。
そう判断した部下Aは、通常の手順でシャットダウンを実施し、PCを片付けた。
数分後。
オフィスの空気が突然変わった。
- 上司B 😠 「誰だ!!PCの電源を切ったのは!!」
周囲の社員たちが驚いて顔を上げる。
- 部下A 😳 「私です。片付けるよう指示をいただいたので……。」
- 上司B 😡 「勝手に人のPCの電源を切ったらだめだろ!!」
- 部下A 😨 「???」
どうやら上司BはPC上で大規模な計算処理を実行していたらしい。
その処理は長時間かかる作業で、電源を切られたことで途中で停止してしまったのだ。
- 部下A 😰 (いや、だから確認したんだけど……。)
しかし上司Bの怒りは収まらなかった。
自分が出した指示よりも、「PCの電源を切られた」という結果だけに意識が向いていたのである。
実はこうした出来事は初めてではなかった。
実はこの上司は物事を自分の都合のよい方に解釈したり、他の人の意図を想像することが苦手だったり、記憶力が悪い傾向があり、たびたびコミュニケーション上のトラブルを起こしていた。

解説
世の中には、ご自身が発言した内容を忘れてしまったり、自らの誤りを認めることが苦手な方もいらっしゃいます。
業務を進める上では、指示された内容をそのまま実行しているだけでは、このようなトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
そのため、理不尽に感じられるかもしれませんが、このような方とのコミュニケーションにおける対処方法を身に付けておくことも重要です。
今回のケースでは、PCの電源が入っていることに気付いた時点で、部下側も手間はかかるものの、再度確認を行っていればトラブルを回避できた可能性があります。
※もっとも、粗大ごみ置き場に置かれている物を見て「不要な物だ」と判断してしまうのと同様に、片付けるよう指示された机の上に置かれたPCを片付け対象と考えるのは自然な判断であり、やむを得ない面もあります。
また、口頭での確認だけではなく、チャットやメールなど記録が残る手段で「これから実施する作業内容」を事前に共有し、認識に相違がないか確認を求めていれば、認識のずれを防げた可能性があります。仮に上司が後から指示内容を忘れてしまった場合でも、そのやり取りが自身を守る根拠となります。
このような対応は過剰に思われるかもしれません。
しかし、実際にはご自身の発言内容を忘れてしまう方も存在します。そのため、そのような方とコミュニケーションを取る際には、通常以上に丁寧な確認や記録を残すことが重要となります。
今回の事例は、業務において「正しく行動すること」だけでなく、「正しく行動したことを証明できる状態にしておくこと」の重要性を示していると言えるでしょう。
おわりに
職場のトラブルは、必ずしも能力不足や悪意から起きるわけではありません。
曖昧な指示や共有不足が原因となることも少なくありません。
大切なのは、重要な指示や確認事項を記録として残し、互いの認識を明確にすることです。
コミュニケーションの工夫によって、多くの無用な対立や誤解は防ぐことができるのです。