はじめに
社会人になれば、会社という組織はきちんとルールに則って運営されているというイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?
しかし現実には、社内の意思決定プロセスが曖昧なまま放置され、従業員が振り回されてしまう会社も存在します。 立場が上だから、総務だからといって、必ずしも合理的な対応をしてくれるとは限らないのです。
本記事が、会社という組織を過信せず、自分の権利や手続きについて主体的に確認する姿勢を持つきっかけになれば幸いです。
本記事は、エンジニアや企業を貶めることを目的としたものではありません。情報収集が困難な業界内情を提供し、今後のキャリアに役立てていただくこと、そして業界への監査を行うことを目的としています。
社員寮の退寮手続きだけで2ヶ月以上かかるとんでも会社
通勤時間短縮のための退寮相談
これは、とある関東のSES会社での話です。
この会社では従業員に対して、会社近隣のアパートを社員寮として提供していました。
ある新人社員Aさんは、社内勤務から客先常駐に配属が変わったことで、社員寮からの通勤に時間がかかり過ぎるようになり、退寮を検討します。
就業規則や寮規則には退寮に関する規定がなかったため、退寮が可能かどうか、可能な場合はどのような手順を踏めばよいかを直属の上司に確認しました。
すると、上司からはこんな反応が返ってきます。
- 上司😕:「会社の方針として、若手が社員寮を出るのはあまり良く思われていないんだよね……」
はっきりした理由は語られず、曖昧な物言いでしたが、話によると、過去には女性社員が「ユニットバスが嫌だ」という理由で退寮を申し込んだものの、否認された前例もあったそうです。
その後、上司から
- 上司:「取り敢えず、総務部に確認のメール送信して」
- 新人A😐: 「分かりました。」
指示を受けたAは、退寮を検討している理由と、手続きが可能かどうかを総務部・上司・課長宛にすぐにメールで送信しました。
- 新人A😳:「通勤時間短縮のために退寮を検討してます、退寮できるかどうか可能でしょうか?📨」
あくまで「退寮させてほしい」ではなく、「退寮できるかどうかを確認したい」という内容です。
噛み合わないコミュニケーション
ところが、何故か総務部は新人Aに返信せず、上司と、課長にのみメール返信しました。
総務からの指摘を受けた上司は新人Aに以下のように指摘しました。
- 上司😠:「なんでメールを総務部に送ったんだ。」
- 新人A😳 :「え、先ほどメールを送信するように指示を受けたので。。。」
- 上司😠:「今送るとは思わなかった。」
- 新人A😳 :(いつだったらいいんだよ)
Aさんとしては、上司から総務に確認するよう指示されたため、すぐに送信しただけです。
内容的に何時送信しても特に問題ないような内容ですが、何故か上司から𠮟責をうけ、さらにいつ送信すればよかったのかは最後まで明かされませんでした。
また、総務部からの返信内容は一切新人Aには共有されず、どうも会社側が何かひた隠ししているような状態でした。
その後、会社が月末に実施ている帰社報告会で、課長・上司と対面で話し合いの上、方針を決定することになりました。
これにより退寮は1ヶ月先延ばしになりました。
帰社報告のドタキャン
ところが、帰社報告の日に課長も上司も欠席していることに気づきます。
- 新人A😐: 「課長も上司もいないな。。。」
社内の別の社員Bに聞いて回ったところ、以下のように教えてくれました。
- 新人A😐: 「課長と上司って今日出社してます?」
- 社員B😅:「上司さんは業務都合で休み、課長はプライベートの都合でお休みだって。」
- 新人A😐: 「。。。」
新人Aに連絡がなく、ドタキャンされてしまったため、帰社報告では方針を決められず、さらに1ヶ月ほど時間が過ぎていきました。

社内で見えてきた「本音」
社内やインターネットで似たような事例を調べてみると、社会人経験の浅い新人が退寮すると金銭面でのトラブルを起こすリスクがあることから、総務部が寮に留めておきたがる、という噂があるそうでした。
一方で、新人でも実家からの一人暮らしに切り替えた社員は特に総務から指摘がなかったことから、上記は表向きの理由は本音は以下の理由だと推測しました。
- 住宅手当を支給するより、社員寮を維持する方が会社にとって節税効果が高い
- 退寮時期が中途半端だと、不動産会社への賃料を余分に支払う必要が生じる
そこで新人Aは、退寮時期や、移住先の物件の賃料は会社の希望に合わせられること、通勤経路が短くなれば通勤手当の支給額も減り会社側にもメリットがあることを提案してみることを検討しました。
「それはお前が考えることではない」
後日、現場で上司と直接話す機会がありました。
- 新人A🙂: 「退寮時期と賃料などの条件をご提示していただければ会社の条件に合わせます。また、通勤手当が少なくなるので会社にもメリットがあります。」
- 上司😑:「社員寮を出ると、普通のアパートよりお金がかかる」
言われなくても分かるようなことを、執拗に念押しされます。
- 新人A😔「会社が反対しているなら無理に退寮するつもりはないです。」
- 上司😤:「それはお前が考えることではない」
- 新人A😳: 「???」
- 上司😤:「反対はしていないから、退寮してもいいんじゃない」
- 新人A😐: 「分かりました。」
許可が得られた新人Aは再度総務部に手続き確認のメールを送信しました。
しかしまた何故か新人Aには返信されず、上司・課長経由に返信されました。
今後の方針として、「本件は総務部と直接連絡を取らず、上司と課長経由でエスカレーションすること」となり、再度月末の帰社報告で話し合いをすることになりました。
月末帰社報告会でのやり取り
月末の業務集会で、ようやく課長・上司と会話ができました。
- 課長🤔:「なんで退寮しようとしてんの?」
- 新人A🤔:「もう総務にも連絡していますが、そもそもなぜ会社は退寮を反対されているんでしょうか」
- 課長😑:「別に反対はしてない」
- 新人A🙂:「え、そうなんですか? 退寮理由は通勤時間を短縮させたいからです」
- 課長😠:「その理由だと総務が反対する」
- 新人A😳: 「???」
会話がまったく噛み合わず、埒が明かないと感じたAは、「社員寮固有の規則がデメリットの一つだと感じている」とだけ伝えました。
すると、なぜか退寮が承認され、総務に退寮日を直接メールで連絡するように指示を受けました。

退寮当日
手続き通りに総務へ退寮日を連絡しましたが、総務部からまたも返信はありませんでした。
また、上司からは事前に以下の提案まで受けていました。
- 上司😤:「引っ越し時の荷物搬入は社員が手伝う」
- 新人A😅: 「ありがとうございます。。。」
ところが、引っ越し当日、誰も来ず、新人Aは結局一人で荷物を搬入しました。
- 新人A😳:「結局誰も来なかったな。。。」
退寮後
退寮から数日後、なんと総務部から以下のメールが送信されてきました。
- 総務部🙄:「結局いつ退寮したんですか?」
- 新人A😳:「???」
Aは仕方なく、そのメールに返信し、退去日を伝えました。 しかし、また総務部から返信は来ませんでした。
引っ越しした月の月末に別の総務社員から給与明細と一緒にある紙が渡されました。
紙の内容には以下のクレームが記載されていました。
- 総務😤:「住所変更手続きが期限内に行われなかったせいで通勤手当の給与計算ができませんでした。以後気を付けるように」
- 新人A😳: 「???」

一連の相談から実に3ヶ月、新人Aはただ「社員寮の退寮が可能かどうか」を確認したかっただけですが、質問に対する回答は結局得られず、挙句何故か叱責されたり、クレームを言われることになってしまいました。
まとめ
関係者間できちんとコミュニケーションを取らず、自分たちが決めたルールも徹底されず、自分たちのミスで従業員に迷惑をかけてもなお謝罪ではなく指摘が飛んでくる。
そんな会社が実際に存在します。
従業員からの書類申請すらまともに処理できない組織は、残念ながら少なからず、あります。
実際、この会社の社員は一部の不動産会社から「社員寮から出られないような会社で大変ですね」と、嘲笑されることもあるようです。
会社という組織を過信せず、自分の権利や手続きについては、就業規則や寮規則を自分自身でも確認し、記録を残しながら進める姿勢が大切です。